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文書作成日:2024/01/23
2021年4月から改正高年齢者雇用安定法が施行され、65歳までの雇用確保措置の義務に加え、70歳までの就業機会を確保する措置(以下、「就業確保措置」という)が努力義務として定められました。先月、厚生労働省から公表された2023年の「高年齢者雇用状況等報告」に関する集計結果(以下、「集計結果」という)では、この就業確保措置の努力義務に対応した企業の状況等を確認することができます。
[1]就業確保措置
就業確保措置としては、以下の1〜5のいずれかの措置を講ずることが企業の努力義務とされています。65歳までの雇用確保措置と異なり、雇用だけでなく、業務委託契約など直接雇用をしない形で、70歳まで就業できる機会を与えることも措置に含まれています。
[2]就業確保措置の実施状況
今回の集計結果では、報告した全企業の中で就業確保措置が実施済みである企業が全体の29.7%となっています。企業規模別では、中小企業では30.3%(前年比1.8ポイント増加)、大企業では22.8%(前年比2.4ポイント増加)となっており、中小企業よりも大企業において対応を進める動きが強まっています。なお、この集計では従業員21人〜300人規模を「中小企業」、301人以上規模を「大企業」としています。
また、就業確保措置の内訳を全体でみると、70歳までの定年引上げが2.3%、定年制廃止が3.9%、継続雇用制度の導入が23.5%、創業支援等措置の導入が0.1%となっています(※)。
※端数処理の都合上、合計数にズレが生じています。
[3]定年制の状況
就業確保措置に向けた対応や人材確保の観点から、定年年齢を引き上げるケースが見受けられます。企業における定年制の状況については、65歳以上定年企業(定年制の廃止企業を含む)は全体の30.8%で、年齢区分でみてみると以下のようになっています。
深刻な人手不足の中、65歳以降の人材をどのように活用していくか悩まれている企業は少なくないでしょう。今回の集計結果なども参考にしながら、検討を進めましょう。
■参考リンク
厚生労働省「令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。